引退ブログ 鄭愛梨

お久しぶりです。

前470リーダー兼レース技術部長の鄭です。

先日全日本インカレが終わり、九大ヨット部を引退しました。

それとともに13年のヨット人生が一区切りつきました。

最後のインカレは総合5位、470級6位となんとか入賞に滑り込むことができました。

悔しい気持ちや反省はたくさんあります。

特に最終レースのことは、多分一生忘れられないと思います。

それでも、チーム全員で走り切って入賞できたことは素直に嬉しいです。

私たちは後輩たちに日本一への希望を与えてやれたんだと、胸を張って引退できます。

 

 

さて、4年間、あっという間でした。

経験者として期待されて入った私は、見事に期待を裏切り走りませんでした。

1つ上の伊良皆さんに、「えりはいつになったら伸びるの?」と無邪気に聞かれた日のことは今でも覚えてます。笑

高校生までの1人乗りとは違い、船が複雑でスピード感がむちゃくちゃシビアなこと、自分の意思だけでは動けないことにとまどい、470の乗りにくさやクルーとの関係に悩む毎日でした。

 

シングルハンドからいきなり470に乗ってる人なんかここ最近見たことないし、自分が走らないのは仕方がない。

 

そう思ってずっと自分に甘えながらやってきました。

2年になって1番艇になってもほとんど前を走れず、個人戦予選から3年の個人戦予選まで毎レース泣いてました。

特に3年の個人戦予選の絶望は強く心に残っています。

そこでやっと自分の甘さと向き合うことができ、ヨットとの関わり方が変わりました。

それからの1年、私なりに一生懸命ヨットと向き合ってきたつもりです。

そのおかげでセーラーとしてだけでなく、人間としても大きく成長できたんじゃないかな、と考えています。

なんにせよ、九大ヨット部に入る選択が自分の人生で一番いい判断だったのは間違いありません。

 

 

ここで、私にしか伝えられないメッセージなのかは分かりませんが、2つ後輩に伝えたいことがあります。

まず1つ目は、私が1年間意識してきた心構えについてです。

470リーダーとして、レース技術部長としての1年間のモットーは「自分の命は自分で守る」でした。

これは達矢さんが私にずっと言い続けてきた言葉でした。

私は、リーダーにはチームのメンバー1人1人の、またチーム全体のやる気や成績に対して責任があると思っています。

絶対にみんなを上手くして、チームを日本一に導く。

そう誓って1年間やってきました。

ただ、私自身は自分で上手くなろうと思わないと決して実力はつきません。

自分で上手くなって、自分で自分を日本一に導く。

そう考えると、平日練習もトレーニングもタクティクスやストラテジーの勉強も、自分からやりたいと思うようになりました。

リーダーだけでなく、全員が「自分の命は自分で守る」ことができれば、最強のチームになると信じています。

その心構えを持ってこれからのヨット人生を過ごしてくれたら嬉しいです。

 

2つ目は、私が自己嫌悪に陥った時に思い出していた言葉です。

私は口では大きなことを言うし努力家のように見えるかも知れませんが、怠けてしまうこともたくさんありました。

ルールを作った本人にも関わらず、瞑想をし忘れてしまったり、トレーニングを週2でできなかったり…。

そんな自分が嫌で嫌でたまらなくなってしまうことも多々ありました。

そんな時、あるビジネス書にこう書かれていました。

「自分が決めたことに関して挫折しないことはもちろん素晴らしいけれど、本当に大事なのは挫折した後にもう一度始める勇気があるかどうか。その勇気があれば挫折しても成功する。」

もちろんきちんとルールを守るのは大切なことです。

毎日食事報告する、トレーニングする、ランニングする、瞑想する。

でも、もしそれが毎日できなかった時、できなくなった自分に嫌気がさしてそれから頑張れなくなるかもしれません。

でも、そこでもう一度頑張り直せることが大切なんだと思います。

自分なら絶対やり遂げられる、そう信じて、たまには躓きながらも最後まで走り続けて欲しいです。

 

 

最後に、ここまでヨットを続けてこれたのは、支えてくださった皆様のおかげです。

ずっと私の前でかっこいい背中を見せ続けてくれた先輩方。

特に航輝さんと達矢さんがいらっしゃらなかったら、九大ヨット部には入っていませんでした。

 

こんな頼りない私についてきてくれて、成長させてくれた後輩たち。

470チームのみんなにはたくさん迷惑をかけました。

それでも最後まで私を470リーダーとして認めてくれて、ついていきますって言ってくれてありがとう。

愛梨さんが470リーダーで良かったですって泣いてくれた誰かさんの言葉は忘れませんよ。笑

あと女子選手たち、みんながただの女の子から立派なセーラーへと成長するのを見るのが本当に楽しみだったよ。

これからもメンタルフィジカル共に鍛え上げて、男子の中でも戦える逞しい女になって下さい。

 

私と乗ってくださったクルーの方々。

こんなに自己中で感情的なスキッパーもなかなかいなかったと思います。

1年間ずっと一緒にいて支えて下さった明希子さん、生意気な私をしっかりコントロールして下さった樽谷さん、全日本インカレで屈辱の3連写を撮られた創真、個選までの少しの間全然そりが合わず苦しめてしまった金子さん、後輩で唯一私にまっすぐ向き合ってくれた三上、怒られながらもどんどん上達していった平松、そして2年間ずっと一緒に戦ってくれた陸。

ここまで成長できたのは皆さんのおかげです。

 

そして4年間ずっとそばで支え続けてくれた同期。

こんな自分勝手でヨットも大して上手くなかった私を認めてくれて、必要としてくれて本当にありがとう。

 

また、今までのヨット人生でできた多くのライバルや友達も、遠くから励まし合える大事な存在でした。

みんなの引退ブログや挨拶を読んで勝手に泣いてます。

みんなのこれからの活躍も期待しています。

 

今まで私と関わってくださった全ての方に頑張る力をいただきました。

本当に感謝しかありません。

最後に、いつも誰よりもそばで支えてくれた家族に、心から感謝の言葉を伝えたいと思います。

最後の最後まで不安にさせることも多く、お金もかかる手間もかかる娘でしたが、ここまでずっと応援してくれてありがとう。

これから少しでも恩返しできたらいいなと思います。

 

私はこれからもヨットを続けるつもりなので、どこかの海でお会いできたら光栄です。

とりあえず冬は学生マッチの練習と現役の練習手伝いに勤しみたいと思います。

 

4年間、本当にありがとうございました。