お世話になっております。
九州大学ヨット部前副将、Snipeリーダーの引地勘太です。
江の島インカレが終わってから2週間と少しが過ぎた今の率直な気持ちを書こうと思います。2つあって悔しいと感謝です。
悔しいについて。
一生忘れないであろう七大戦とインカレでの不甲斐ない結果がこの気持ちにさせています。もちろんそんな簡単な言葉で表せませんが心を深掘るとこの言葉に行き着くのかなと思います。
たくさん理由はありましたが、「日本一」に惹かれてヨット部に入りました。ですが1回も達成できず、先輩方の悔し涙を見て1年間を終わることが3回続きました。僕がいた4年間で目標もどんどん下がっていきました。すごい分かりやすい右下がりです。そして4年になり、ポジション的にもみんなの前に立つ場面が増えて今年こそはV字回復する。また、口下手だったので後輩に対しても行動で示すと意気込んで時間もお金も自分のすべてをヨット部にぶつけました。もちろん、先輩方に比べれば努力量は天と地の差があると思いますが、日の出出艇をしたり、伊井とミーティングをしたり、船を軽くしたり、野見山さんにはいくらお金を使ったか分かりません。こんなことを書いていいのか分かりませんがGPAと院試験は本当にどうでもよかったです。正直、レース内容もどうでもよかったです。とにかく七大戦とインカレで勝つこと。とにかく結果だけを求めた1年間でした。
ですが選手として4年間やってきた結果もむなしく、実らなかったことが何よりも悔しいです。そして、大会でスナイプで集まった時によく言いましたが「支えてもらった人に頭を下げてありがとう、よりも分かりやすい結果で恩返しする」というのができなかったことも悔しい理由です。
続いて感謝について。
一旦スナイプの話をさせてください。決起会や引退挨拶でも言いましたが、1年間の僕と英心のとても大きな悩みとして3番艇問題がありました。去年の今ごろ、メインを引けずにテルテールが全く合わない林か橋本が1年後にはビブスを着て九大の名を背負ってインカレを走ること。しかも4年クルーが僕しかいなかったことからおそらく自分がそのどちらかとペアとして乗ること。チームとしても個人としても真っ暗からのスタートでした。もちろん新人戦と西インで希望は見えず、自分がスキッパーをやっていればと何度思ったことか。そこに1年生の佐藤が入ってくれていきなり良い走りをしてくれたところあたりから3人で競い合ってくれたのかなと思います。乗り換えるたびにうまくなっていったように感じます。そして最後は橋本が3番艇として全うしてくれて、林は支援艇で佐藤は陸でサポートしてくれました。林と佐藤は思うところがたくさんあるはずです。でもそれが勝負の世界でこの悔しさは是非来年で爆発させてほしいです。そして英心のブログでもありましたが、ハイクアウトをし出すくらい吹いたら目標の6位入賞圏内の走りを3艇で全国相手にも示せたことが誇らしいです。強風での出艇もフィジカルも食トレも報われた瞬間で少なからず何か爪痕を残せたと思ってます。走ってくれたレギュラー、本当に感謝してます。
そして帆友会の先輩方、同期、後輩、山口顧問をはじめとする大学の関係者の方々、ヨットハーバーの方々、保護者の方々、スポンサーの方々など、ここには書ききれないたくさんの支えによってヨット部が成り立っていると強く実感した1年間でした。そして、たくさんのご心配とご迷惑をおかけした1年間でもありました。最後まで厳しくも温かく見守っていただき本当にありがとうございました。不自由なくヨットに乗って大会に出られて最後まで成長できたヨット部4年間を過ごすことが出来ました。この4年間での出会いには感謝です。そしてその出会いに巡り合えた僕は幸せ者です。ありがとうございました。
最後に後輩に向けて
引退挨拶でも話したことですがうまくまとめられなかったし、改めて伝えたいので書きたいと思います。
正解を選択する力と選択を正解にする力。
今年1年間、レース技術部に関わって必要だと感じた能力です。日常のたくさんの選択が積み重なって今の自分たちが存在すると僕は考えています。その選択では学食で何を食べるかのような些細な選択からどの大学を目指すのか、どこに就活するのかといった大きな選択まであります。もちろん、それはヨット部においても。今週末の練習をどうするのか?今後コーチを呼ぶのかどうか?お金をどのように使うのか?部運営だけでなく、ヨットレースでもたくさん選択をしてその積み重ねが最終的な結果になります。どこでスタートをするのか?どちらの海面で戦うのか?どこでタックをするのか?バングをどれくらい入れるのか?などなど、挙げだしたらキリはないです。
そのたくさんの選択肢の中から正解を選びたいですよね。なぜなら、それを選べればほとんどの確率で成功するから。当たり前です。ですがテストと同じで正解は終わるまで分からないです。ただ、唯一テストと違うことは自分の選択を正解にも不正解にもできることです。部運営だったらどんな練習メニューでも死ぬ気でやること。ヨットレースだったらどんなコースを引いても死ぬ気でハイクアウトをしてフルスピードを出し続けること。ここで挙げたのはほんの一例で、正解にする方法もたくさんあります。
目標に向けてこれからたくさんの選択を積み重ねていくと思います。たくさんあるうえ、全く分からない選択肢の中から正解を探るよりも失敗に見える選択でも正解にするように日々積み重ねていって欲しいです。
スナイプは新3、4年生全員が、470もほとんどが全国を経験して上位3艇も真っすぐ走れるところからのスタートだと思います。下級生の頃からたくさん経験していることはかなりのメリットです。僕としてもスナイプ2年生をレギュラーにして(もちろん本人の努力があってからこそのレギュラーですが)インカレを経験させることができて良い種をまけたと勝手に思ってます。ここから立派な花を咲かせるか、それともしょんぼりと枯れさせるかはみんなの日々によりけりです。次はOBとして必要な肥料を与えていこうと思います。応援してます。
改めて4年間本当にありがとうございました。
失礼いたします。
九州大学ヨット部前副将・Snipeリーダー
引地勘太
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