平素よりお世話になっております。
九州大学ヨット部前主将、レース技術部長、スナイプリーダーを務めておりました西本かなでです。
11月5日の全日本インカレを持って引退しました。応援して下さった全ての方々誠にありがとうございました。
未だに気持ちに整理は付いていないし、上手くまとめられる気もしませんが、四年間を振り返りながら正直な気持ちを綴ろうと思います。長くなるかもしれませんが、読んでいただけると嬉しいです。
自分の活動を振り返ると、「コロナ」という3文字に苦しめられた四年間でした。
しんどい受験期を乗り越え待ちに待ったキャンパスライフのはずが、家で自粛の日々、やっと入部したのは9月下旬。
1年生の頃は人数制限でインカレについて行くことが出来ず、2年生では感染拡大の波が来る度に練習が停止し、ほとんどの大会が中止になりました。私が出場できた大会は九州インカレ個人戦の1つだけでした。
3年生はそんな実力も経験も伴わない中レギュラーとなり、初めてのビックフリート、とんでもないプレッシャーに翻弄され、分からないことばかりで結果も出ず、とても苦しみました。
4年生になって日常が戻ってきたものの、見たこともない九大ヨット部の伝統を復活させようと試行錯誤し、強いチームとはどんなチームなのか正解が分からないまま必死にチームをまとめ続けました。
そして何より、同期の少なさが自分のコンプレックスでした。
同期がたくさん出来ると聞いて、生涯の友達が出来ると思って入部したのに、入部してみたら同期は減っていくばかりで、結局同期女子が入ってくることはありませんでした。
2年生の春に私たちの学年の新歓が終了し、もうこの少ない人数で四年間やっていかないと行けないと悟った時、まだやり直せるのではないかと思って、1度退部を決意したことがあります。
その時、「どうしようも無いことでぐだぐだ言うな!」と父親に喝を入れ、確かに環境に文句を言っても何も変わらないし、この4年間に意味を見出すのは同期の数でもなく、コロナがあるないでもなく、自分の四年間の行動だと思って、覚悟を決めて続けることを決意しました。
それ以降は退部を考えることはありませんでしたが、やっぱりふとした時に感じる疎外感とか、例年10人以上で回している仕事を2人で行う大変さとか、イベントで同期の集合写真が自分だけないとか、そんな小さいことがある度に胸がチクチクして、四年間一緒に活動して引退後も再会して盛り上がれる同期がたくさんいる後輩と先輩全員が羨ましくて、苦しかった。
入部して良かったと思える日が来るんだろうか、満足した引退ができるんだろうかと、嫌な不安がまとわりついて、そんなことを考えてしまう自分が嫌いでした。
言い訳に聞こえるかもしれませんが、私にとってはこれが事実で、自分の置かれた環境にとても苦しめられ続けました。
そんな中でもこの1年は、日々の仕事の多さに忙殺されながら、時には自分を見失いそうになりながらも、この1年間ヨット部で活動して良かったって全員に思って欲しいという思いを原動力に、後輩のため、チームのために、潰れそうになる自分を奮い立たせて動き続けました。
誰かのために出来ることはないか、強いチームにするためにはどうしたら良いか、考えて悩み抜いて実行し続けました。
どうしたら勝てるのか、考えて、様々な問題にぶつかって、その度に乗り越えて成長しながらひたむきに部のために動き続けました。
そうする内に、九イン個戦スナイプ全艇突破や九イン団戦総合優勝など、少しずつ勝てるようになってきて、そんな中でインカレを迎えました。
結果は、総合14位と惨敗。この結果はとても悔しい。
レース数がもっと多ければ、風が吹けば、色んなタラレバはありますが、この風が吹くとこは前から決まっていたし、この中で優勝した大学もあるわけで、自分たちの実力だったのだろうと受け止めています。
悔しくて、悔しくて仕方がないけれど四年間してきたことに後悔はありません。
きっと四年間を今からやり直せるとしても、私は同じ選択をして同じ行動をして、同じ結果をとると思います。そう思うくらい、1日1日を必死に駆け抜けてきました。
この14位という数字の裏には、レギュラーを信じて最後まで戦ってくれたサポートのみんな、プレッシャーやそれぞれの想いを抱えながら最後までついてきてくれたレギュラーの存在、チームとして切磋琢磨し、時に悩み時にぶつかりながら成長してきた1年間があります。
私はどんな結果よりもみんなと闘い抜いたこの1年を誇りに思います。
振り返ればしんどいこと苦しいことばかりでした。
人と向き合うことの難しさ、組織をまとめる大変さ、中々思い通りにいかないこと、たくさんの事を学びました。
苦しみ抜いたこの4年間は楽しかったなんて一言では片付けたくありません。
でも、こんなに必死に走り抜けた四年間は人生で他にありません。夢を追い続けたこの活動を通じて、結果以上のものを得られたと思っています。本当に充実した幸せな四年間でした。
後輩たちへ
それぞれがしんどい中で本気で取り組んでくれる後輩や楽しそうに部活に来てくれるみんなの存在があったから1年間走り続けれました。今まで本当にありがとう。
これから色んな困難があると思うけど、引退したときに振り返るのは全て自分の行動ばかりです。周りや環境のせいにせず、自分と仲間を信じて後悔のないように今後の部活に取り組んでください。ずっと応援してます。
唯一の同期黒田へ
どんなときも隣で一緒に戦ってくれてありがとう。黒田と一緒に引退出来たことが私の誇りです。
最後に、岡部会長や神風監督をはじめとする全ての先輩方、山口顧問、ハーバーの事務所や県連の方々、ずっと支えてくれた家族、様々な形で応援してくださった全ての方々、今まで本当にありがとうございました。
ヨット部で過ごした四年間は一生の宝物です。
ヨット部に入って、96代として活動出来て幸せでした。
改めて本当にありがとうございました。
九州大学ヨット部前主将
西本かなで
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